金スマでは、野菜炒めと餃子を弱火調理した水島シェフ。
ハンバーグは、手ごねではなくすりこぎ棒で混ぜる。唐揚げはフライパンに並べてから冷たい油を注ぐという、常識を打ち破った科学的!弱火クッキングの第2回は、ハンバーグとチャーハン。
肉汁のでないハンバーグ
水島流のハンバーグは、切ったときに肉汁が出ないハンバーグ。
肉汁や食材のうま味を逃さず、口の中で肉汁があふれるハンバーグを作るという。
野菜の切り方
まず、野菜の切り方のおさらい。
包丁を腕のラインに対して真っすぐに持ち、調理台に対して体を少し斜めにして立つ。
このことにより、力を入れず楽に包丁を動かすことができる。
包丁を持つときは、親指と人差し指で柄を挟み、中指で押さえるだけ。
刃先のカーブに沿って上下に動かしながら切る。
一般的な切り方は力が強く、野菜の細胞が潰れ断面から水分が出てしまう。
水島流の切り方は、細胞が潰れにくく断面がなめらかになり、水分も出にくくなる。
そのため、ベチャベチャにならず、野菜のみずみずしさや旨味が損なわれない。
水島流みじん切りはたまねぎが目にしみない
(1)たまねぎのみじん切りを、力の入れない水島流でつくる
水島流のみじん切りだと、目にもしみない。
(2)たまねぎのみじん切りをフライパンに入れ、火を点ける前に上から油を掛ける
たまねぎは飴色にしない
たまねぎは、飴色になったものと全く色のつかないものでは、全く色のつかないもののほうが甘くなる。
たまねぎの中には甘くなる当分がいっぱい含まれている。
色がつくと、香ばしさは出る。しかし、甘みが香ばしさに変わっていっているので、あまり色をつけすぎると風味が飛んで、甘みは下がる。
なので、調理工程としては
(3)たまねぎは弱火で3~4分ほど炒めて、透き通った状態になればよい
ハンバーグのタネ作り
(4)ひき肉に、その重量の0.8%の塩を入れる
(5)すりこぎ棒でお肉を突くようにして混ぜる
肉は30℃くらいの温度で変化がはじまる。手ごねではタンパク質に変化が始まり、肉同士がくっつきにくくなる。肉同士がくっついていないと水分が飛びやすく、そのときに肉汁も出ていってしまう。
(6)ひき肉の粒々感がなくなってペタペタしてきたらOK
これが肉の細胞同士が結着し、水分や旨味を逃さない状態。
(7)パン粉、牛乳、溶き卵、タマネギをゴムベラでかき混ぜ「つなぎ」を作る
(8)ここでも、0.8%の塩を混ぜる
(9)よくなじんだら、ひき肉と合わせ、コショウ、ナツメグを入れ、ゴムベラで混ぜる
(10)最後に、3回ほどだけ手ごねする
一度結着した肉に体温ほどの熱を加えると、より強く結びつくそう。
ハンバーグはへこまさない
(11)ハンバーグの形をすばやく整えたら、へこまさずにフライパンにのせる
肉がきちんと結着しているため中に空気が入らず、空気抜きや真ん中をへこます必要はない。
(12)火はもちろん弱火にして、フタもしない。あとは待つだけ
強火で一気に加熱すると、肉のタンパク質が急激に縮むことによって、中の水分が出てしまう。弱火で少しずつ肉の温度を上げると、タンパク質がゆっくり縮み、水分があまり出ない。
(13)焼いている過程で出てきた油を、キッチンペーパーで吸い取る
ここまでの油はソース作りには使わない。肉を炒めてきているから疲れていて、そこにまたバターを入れたり生クリームを入れたりすると、ソースが濁ってしまう。
(14)肉の半分くらいまで白くなってきたら裏返して、じっくり焼く
(15)表面に肉汁がにじんできたら完成
ソース作り
(16)バルサミコ酢を強火で煮立たせる
水分を飛ばしてあげて、同時に酸味も飛ばしてあげる。すると段々旨味が凝縮されていって、なかに甘味があるので段々とろみもついてくる。
(17)煮立ったら、塩を入れ、最後にバターを加える
(18)溶けたバターは、少しずつ混ぜ合わせる
たしかに出来上がったハンバーグは、切っても肉汁がでず、テレビを見る限りはおいしそうに見えない。
肉肉しいハンバーグということだが、手ごねしないので作りやすい感じもする。
セブンイレブンのハンバーグ、それも金のでないハンバーグで十分ではあるけれども、ソースは真似しなくてもいいので、一回試してみようかな?
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